2013年10月11日

変えるべきこと、受け入れるべきこと

皆さんそれぞれに毎日の生活の中で戦わなければならない、乗り越えなければならない課題が沢山あると思います。
けれども、そうやって苦闘している方とお話ししていて、時に「この方は本当にこの課題と戦わなければならないのかな。戦うことより受け入れることが必要なのではないかな」と思うことがあります。
いつでも何に対しても戦いを挑むことが強さだと思ったらそれは間違いです。
戦うべきものと受け入れるべきものとを見分ける識別力が必要です。

あるおばあさんが重たい病が進行してお腹がパンパンの状態で病院に運ばれてきました。相当苦しいだろうと思うのですが、医師にも看護師にも心を開きません。そんなおばあさんの担当に、見習いのような看護師さんがつくことになりました。
経験がありませんから何をして良いか見当もつきません。それで、とにかくおばあさんの手を握って、痛いと言えばひたすらその場所をさすり、苦しいと言えば背中をさすり、そのことを毎日繰り返していたのです。そういう若い看護師さんに、段々おばあさんは心を開くようになり、やがて自分の身の上話をするようになりました。
自分が生まれ育った話し。結婚、妊娠、出産の経験。その子どもが今はどこにいるか分からないこと。夫との死別。そんな話しを繰り返しいる内に、不思議なことにそのおばあさんの痛みが段々消えていくのです。
やがて、病気によってパンパンに膨れ上がったお腹をおばあさんは妊娠さんのお腹に例えるようになります。「今日はお腹の赤ちゃんが動いた。今日は足を突っ張った」そうやって和やかに話しながら、静かに息を引き取られたという話しです。

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誰にも心を開かなかったおばあさんが、自分の痛みを受け止め、苦しみに共感してくれる看護師さんに心を開き身の上話しを始めました。
つまりおばあさんが受け止められなかったのは病では無く、これまでの自分の人生そのものだったのです。苦労の連続、その中でようやく育て上げた子どもと今は音信不通。夫は亡くなり、そして今度は自分が病を患いこんなに苦しい思いをしている。
そういう自分の人生を恨み、そういう人生と戦っていたから心を閉ざしていたのです。しかし、おばあさんは今の自分を受け止めてくれる存在に出会うことで、少しずつ今の自分を、そしてこれまでの自らの人生を受容するようになっていきます。最後には膨れ上がったお腹を「赤ちゃん」と例えられるほどに、自分の命を奪う病までも自分の存在の一部として受容していかれた。  
自分の人生を作り変えようと戦うのではなくて、自分の人生をそのまま受け止めて行く時に状況は変わらなくても、お婆さんに見える人生の景色が一変していったのです。

今日あなたに一つのお祈りの言葉を紹介したいと思います。
「神よ、変えることのできるものについて、それを変える勇気を与えたまえ。変えることのできないものについて、それを受けいれる静けさを与えたまえ。
そして、変えることのできるものと、変えることのできないものとを、識別する知恵を与えたまえ。」

変えることのできないもの、それはつまりあなたの人生、あなたという存在の大切な一部分です。それを変えようともがくことはつまり自分自身を否定することです。それは本当に辛いことです。
あなたが今戦っていることは変えるべきものですか、受け入れるべきものですか?
先ほどのお祈りの言葉を反芻しながら、神様に正しい人生の識別力を頂きましょう。別のあなたに生まれ変わることではなく、今のあなたが生きていくことを神様は望んで下さっているのかもしれません。

川奈聖書教会はあなたのための教会です。気軽に足をお運びください!
44-1728 E-mail kawanachurch@ybb.ne.jp
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posted by pastoryama at 23:14| Comment(8) | TrackBack(0) | 生き方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
山口先生〜

私、自分の無能さは受け入れるとして(^_^;)
真逆のことなんだけど、
信念を貫き通して行動し続けるには何が必要なんだろう。
コミュニケーションを取り続けること?
一回で諦めないこと?
自分を守ろうとする弱い心を捨てること?
いやこれ全部だな、私の場合。

意味のわからない書き込みごめんね。仕事での日々の悩みがあって思わず書いちゃいました^ ^
ブログいつも安らぎをもらっています。
今まで教会とは縁がなかったんだけど、こんなに身近に牧師先生がいるなんて〜(^ ^)

Posted by 和田友子 at 2013年10月12日 00:46
若い看護師さん・おばあさんの話、良い話ですね。
人生は選択や挑戦の連続ですよね。
紹介してくださったお祈りの言葉、心にとめておきたいと思います。
Posted by 橋美香 at 2013年10月12日 00:50
若い看護師さんの優しさに感動しました。
私もそのようになれたら・・・

牧師さま、おかげさまで手術は成功して、2週間近く、ゆっくり休んで、徐々に回復してきました。今日は久々にパソコンに向かって、いいお話を読む事ができました、ありがとうございました。こういう書き込みは、以前に一度したことがあって、返事をもらった事がなかったので、自分向けに返事があった、そのことが本当にうれしかったです、ありがとうございました。

自分の過去は変えることができないですね、自分が恥ずかしいと思う過去をつらつらと入院中に思い出したりしていました。OL時代に職場でいじめにあったこと、それをとてもうらんでいて、「あの時ちゃんと訴えればよかったな・・・」とか思ってしまう、水に流せない自分のこと。そのあと、色んな職場を点々として、しっかりした社会人生活を送れなかったこと、そのうちに結婚して、子どもができて、きちんとした仕事の実績がないまま、今は母親になってしまっていること。私から冷たくした事が何度もある父親が、遠くに住んでいるのですが、去年亡くなってしまったこと、とかです。
私は本当にダメだ、って思うのですが、普段はそういう自分にフタをして、忙しいせいもあって意識しないで生きています。
そういう自分の受容、ちょっとむずかしいなぁ・・・でも頑張るしかないんだろうな・・・と思います。
あと本当に、その看護師さんのように、優しい人間になれたらいいな、ってすごく思うのですが、実際はすぐにイライラしてしまいます。でも頑張ろうと思います。
Posted by まりこ at 2013年10月12日 05:44
和田さん、いつもブログ読んで下さっているんですね。ありがとうございます!

自分の信念を貫き通して生きるというのはホントに大変なことですよね。守るべきものを守るために成長しなければいけないというのはもちろんそうなんですが、最近私が思うことはそれと同じくらい不要なものを捨てるということの大切さです。

弱い人間が守りとおせるものって、「あれも、これも、それも」とはいかないんでしょうね。もしかして、たった一つのものだけなのかもしれません。
本当に守らなければいけない、守りたいと思える一つのものをどこに見出すか。それが、自分の生き方を貫く強さになるのかもしれません。

答えになっているかどうか心もとないですが^^;、何はともあれ和田さんを応援しています!!
Posted by 牧師山口 at 2013年10月12日 09:15
美香さん
いつもありがとうございます!
このお祈りは「ニーバーの祈り」と呼ばれています。幾つか訳があるのですが、私は「変えることのできないものについて、それを受けいれる静けさを与えたまえ」、という所の「静けさ」という言葉が好きでこの訳で紹介させて頂きました。
私がこの教会に赴任した時の最高齢のおばちゃんが愛唱していた「汝、静まりて我の神たるを知れ」(詩篇46:10)という聖書の言葉と繋がりあって、すごく心を探られる思いがするんです。
ご高齢の方のためのセラピーの様子、聞かせて頂くの楽しみにしています!
Posted by 牧師山口 at 2013年10月12日 09:19
まりこさん、手術成功おめでとうございます(^O^)/ 良かったですね。先々週書き込んで頂いてからずっと気になって、時々お祈りさせて頂いておりました。
神様に与えて頂いた健康を生かして、まりこさんらしく歩んで下さい。

星野富弘さんの素晴らしい詩を紹介させて頂きました。
「冬があり夏があり 昼があり夜があり 晴れた日と雨の日があって ひとつの花が咲くように 悲しみも苦しみもあって 私が私になってゆく」

思い出したくない過去って誰の人生にもありますが、でもその経験があって今の私があり、今のまりこさんがあるんですよね。
神様は今のまりこさんをそのままで愛して下さっていることをいつも覚えながら生活為さって下さい。神様の祝福を祈ります。
Posted by 牧師山口 at 2013年10月12日 09:25
とても素敵なお話ありがとうございます。
そして素敵な祈りの文ですねっ。
Posted by 田崎敏明 at 2013年10月12日 20:05
田崎先生、励ましのコメント頂きありがとうございます!先生のブログも拝見させて頂きました。素晴らしい御堂を備えて下さった神様の御名を崇めます。
一切の必要が満たされ、このことによっていよいよ御栄があらわされますようにお祈りを申し上げます。
Posted by 牧師山口 at 2013年10月12日 22:58
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